皆さんは練習する際に必要と言われる3つのアイテム、ご存知ですか?
メトロノーム
録音機 録画機
鏡
これはカール・フレッシュが推奨している、3つのアイテムです。
今日はこの3つのアイテムの活用法や気をつけるポイントをご紹介していきます。
メトロノーム
メトロノームは一定の間隔で音を刻んでくれる器具です。
弦の音の高さを合わせる際に必要なチューニングメーターも付いている、1台2役の優れものです。
また出先でメトロノームを家に置いてきてしまった!という時はSmart Metronome & Tunerというアプリを使用することもあります。
メトロノームで練習しなさいとはよく言われるけれど、
・いまいち活用法がわからない
・メトロノームに合わせようとすると、まったく弾けなくなってしまう
そんなお悩みはありませんか?
私は以前マスタークラスで「メトロノームは自分がテンポ通りにできていないところ、余裕を持って弾けていないところを見つける為の道具だ」と言われたことがあります。
ただ曲を最初から最後までメトロノームに合わせて弾くというのは、あまり効果的な練習ではありません。
そこで私は次の4つのステップで、メトロノームを活用しています。
①1フレーズずつメトロノームと一緒に弾いてみる
②メトロノームとずれてしまうところを見つけ、楽譜に印をつける
③印をつけたところをリズム練習、逆弓等で練習
④もう1度印をつけたところをメトロノームと一緒に弾く
地道な作業ではありますが、このようにテンポで弾けていないところを効率よく見つけるにはメトロノームが大いに役に立つでしょう。
録音機 録画機
カール・フレッシュの言い回しを引用しているので、少し古い言い方になってしまいましたが、現代ではスマホ1つで録音も録画もできますね。
もちろん音質や画質にこだわる方は専用の機器を買っても良いと思いますが、普段の練習用としてはスマホで十分かなと個人的には考えています。
たまに生徒さんに「自分の演奏を聴くのがすごく辛いんです…」と言われることがあります。
私も自分の演奏を聴くのは大嫌いだったので、すごく気持ちはわかります!!
おそらくそれは「もう少し綺麗な音で弾けていると思っていたのに」「こんなにまだ弾けていないの…」と現実にがっかりすることが多いからだと思います。
録音を聴いてがっかりするということは、自分の演奏を客観視できていないということですよね。
客観視できていないまま人前で弾くのはすごく怖いことだと思いませんか…?
自分でもどんな風に聴こえているか分からない演奏を聴かせたら、お客さんがどんな風に思うのか、考えるだけでも緊張で足が震えてきそうです。
現実と向き合うことは決して易しいことではないけれど、もっと上手になりたい!と思う方は定期的に録音/録画をしてみてください。
ビデオや録音を聴く時私が気をつけているポイントは1つ。
他人の演奏を聴くつもりで聴くこと。
自分の演奏を聴くとミスが気になったり、細かいところにどんどん目が行くかもしれません。
逆に他人の演奏を聴くつもりで自分の演奏を聴いてみると、今まで気になっていたところが意外と気にならなかったり、逆に今まで意識していなかったところに目がいったりするでしょう。
鏡
できることなら全身が映る鏡だと良いです。
自分の体でも、自分の思うように動かすのは難しいもの。
上手くいかないところは、鏡を使ってよく体の動かし方を観察してみましょう。
この時に気をつけるポイントは
じっくり観察した後は、広い視野で弾くことを意識すること。
鏡を使った練習はどうしても体の一部だけを観察するので、視野が狭くなりがちです。
左手をじっくり観察しながら練習していたら、気づくと体をひねっていた!
なんて経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
体をひねってしまったら、いくら左手が正しい動きをしていても思うような音は出ません。
常にミクロとマクロの視点を持てると良いですね。
まとめ
今日は練習の三種の神器とその活用法や気をつけるポイントをご紹介しました。
余談ですが、昔とある先生言われた忘れられない言葉があります。
「練習とは自分自身と向き合うこと。自分自身と向き合うというのは、どんなに立派な大人にとっても簡単なことではない。あなたは一生自分自身と向き合い続ける覚悟がありますか?」
自分を客観的に見つめ、正しく現状を把握する、そして現状を受け入れることは決して易しいことではないですよね。
これは楽器の練習に限った話ではなく、何かを上手になりたい、自分の能力を伸ばしたいと思った時、誰しもぶつかったことのある壁ではないでしょうか。
そんな簡単ではない作業だからこそ今日ご紹介した三種の神器を活用し、効率よく自分の能力を伸ばしていけますように…
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